TSC21

よくある質問

TSC21全般に関する質問

TSC21は何かの略称ですか?

Tool of Solution and Communication for BEMS 21st Century の略です。当初はThermal Storage Controllerの略でしたが、蓄熱コントローラとしての機能を超えて通信機能などを大幅に拡張したため、Total System Controllerと改称しました。その後Controllerという単語がハードウエア的なイメージとして誤解を招くため、再度改称しました。
ちなみにTSC21「てぃーえすしーにじゅういち」と発音します。

TSC21って何ですか?

情報のネットワーク化に対応した環境&エネルギーマネジメントのための「プラットフォーム」でありBEMSを構築するための「フレームワーク」です。

TSC21って具体的にはどんなものですか?

遠隔群管理を想定したエネルギーマネジメントを簡便に行うためのアプリケーションソフトウエア、ライブラリおよび規約です。3つの技術要素があります。
●TSC/com
通信プロトコル&ソフトウエアであり簡易データベースを含みます。
●TSC/prog
BEMS構築のためのフレームワークおよび関連ソフトウエアです。
●TSC/codes
管理点名称の名前付け規則の規約です。
●TSC/ctrl
蓄熱制御機器の“機能仕様”だけでなく具体的な“実装手法”を定めた仕様書です。

TSC21推進協議会とは何ですか?

TSC21の技術の仕様確定と普及促進を目的として活動している団体です(NPOではありません)。

TSC21推進協議会の会員の種別の違いは?

会員の種別には以下の3種類があります。
●アドバイザー会員
主としてビルオーナーなどが対象で、普及促進支援をお願いします。
●技術会員(法人)
企業・団体を対象とし、TSC21の技術を利用・販売することができます。
●技術会員(個人)
TSC21の技術に興味のある個人を対象とします。総会の議決権はありません。
●学術会員(個人)
研究目的から技術支援を行う個人を対象とします。総会の議決権はありません。

TSC21はソフトウエアですか?ハードウエアですか?

TSC21推進協議会から提供・公開されているのは「ソフトウエア」です。TSC21を組み込んだ製品という意味であれば「ハードウエア」ともなりえます。

TSC21の価格および入手方法は?

価格は無料です。ただし、TSC21推進協議会の会員になって頂く必要があります。入手は会員専用のWEBサイトからソフトウエアとマニュアルをダウンロードしていただきます。

TSC21対応とは具体的にどのようなシステムを指すのでしょうか?

TSC21推進協議会から提供・公開されているのは「ソフトウエア」若しくは互換ソフトウエアを用い、ネットワーク経由でTSC/comAPIを利用してデータの取得ができるシステムを指します。この際、TSC/codesによるネーミングコードを利用していることが望ましいといえます。

TSC21は何を目指しているのでしょうか?新しいスタンダードですか?

エネルギー・マネージメント・システムの簡便な構築環境の創造を目指しています。通信プロトコル(TSC/com)およびデータ命名規約(TSC/codes)は多くの人が使っていただければそれだけ汎用的といえますので、そういう意味ではスタンダードと呼ばれることを目標にしたいと思います。ただし、通信プロトコルに関しては、現在複数の仕様で混沌としている状況です。各国の標準化の動きを見ながら、柔軟に対応して行きたいと考えております。

TSC21推進協議会では、海外諸団体との連携や技術動向調査を実施していますか?

2004年1月に、米国AHRへの海外視察を実施し、BA・BEMS関連の動向調査を実施しました。その結果XMLおよび関連技術への注目度とインターフェースの重要性が認識されました。2007年1月には、ASHRAE冬季大会においてTSC21について発表を行いました。

導入したい場合はどこに相談すればよいのでしょうか?

技術会員企業に直接連絡していただくか、若しくはTSC21推進協議会事務局までご一報ください。技術会員の連絡担当者をご紹介させて頂きます。ご不明な点などはTSC21推進協議会事務局までお問い合わせください。

TSC/codesに関する質問

TSC21で、個々の機器の認識方法はどうなっているのでしょうか?

全ての機器はオブジェクト名で識別します。オブジェクト名は以下の階層を持っています。
グローバル名 > データ管理名 > ローカル名
グローバル名はIPアドレスと1:1で対応します。データ管理はデータベースにつける名前です。ローカル名が機器の名前に対応し、これらの命名規則がTSC/codesで定められています。TSC/comのAPIであるwhatHasを利用することで、データ管理がどのようなオブジェクトを保有しているのかを知る事ができます。オブジェクトの名称をTSC/codesのネーミングと照らし合わせることで、各オブジェクトが何のデータなのか、知る事ができます。

TSC/codesで、同一名称の機器類が複数あった場合はどうなりますか?

TSC/comの仕組みとして、同一データ管理内のオブジェクト名称はユニークである必要があります。このため、同一名称の機器については、それぞれ違う名前を持ったオブジェクト名をつける必要があります。

TSC/comに関する質問

TSC/comおよびTSC/progの動作環境は?

TSC/comおよびTSC/progはどちらもJavaにより実装されています。よってJava 仮想マシンの上で動作可能です。なお動作確認はWindowsにおけるJRE1.3で行っています。

TSC/comの動作レイヤを教えてください。

OSI基本参照モデルで言えば、第7層(アプリケーション層)になります。TSC/comによるホスト間通信はHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を利用しています。よって、ホスト間通信にはWebサーバが別途必要になります。

遠隔からデータを扱うとの事で、セキュリティ確保はどうしていますか?

TSC/com組込みの認証方法として、ID・パスワードによるユーザ認証と、IPアドレスによるアドレス認証機能を持っています。データの暗号化等が必要な場合には市販のVPN装置を利用することが考えられますが、SSL機能の組み込みなどより一層のセキュリティ強化も検討していきたいと考えております。

最近注目のoBIXやOPCと比較したTSC21のメリットはなんでしょう?

TSC/comは、建物間相互のデータ通信を目的としている点ではoBIXを、仕組みとしては(APIを提供しているという点で)OPCに近いといえます。ただし、oBIXはプロトコル仕様を定める規定であり、実装システムであるTSC/comと比較して実際の導入時のハードル高くなります。またOPCはWindowsにおける技術であるため、Javaによる実装システムであるTSC21と比較してプラットフォームが限定されます。
●OPC (OLE for Process Control)
米国OPC Foundationが策定した国際標準のアプリケーション間通信インターフェースの統一規格です。OPCを使うと、さまざまなクライアントアプリケーションとシーケンサ等のFA機器を簡単に接続することができ、装置毎に使用するシーケンサメーカが違う場合でも、OPCに準拠したインターフェースでクライアントアプリケーションを構築しておけば、ほとんど修正なしに再利用することが可能になります。
●oBIX(Open Building Information Xchange)
ビルとビル施設、空調と企業アプリケーションをWebサービスで結ぶための決め事に関する仕様です。

TSC/progに関する質問

TSC/progでは何ができるのでしょうか?

TSC/progはBEMS構築のためのフレームワークおよび関連ソフトウエアです。そのプログラムをロジックエンジン、設定ファイルをカスタムファイルと呼んでいます。TSC/progは以下のような機能を有します。(一部抜粋)

データ収集機能
集計機能
表示機能
通知機能
ソリューションパッケージ機能(負荷予測・蓄熱制御など)
実行制御スケジューラ

従来のBAS/BEMSでは機能が固定的でした。しかし、現場にこそヒントやノウハウが転がっているため、その時、その場で、ノウハウを直ちに取り込める仕組みが必要になりました。そのために、ロジックは外部のファイルに記述し、プログラムはそのファイルの内容を実行するという現在の集計ロジックエンジンのスタイルが生まれました。