TSC21の技術
TSC21の通信機能(TSC / com)
BACnet やLON を利用すればマルチ-ベンダー環境になる、とは限りません。 例えば、BACnet は通信の約束事であるプロトコルを取り決めたものですが、実装するのは各ベンダーです。 BACnetの場合、アプリケーションインタフェースの実装レベルの規定が事実上ありません。 入出力データ項目レベルの規定しかないので、通信とアプリケーションを別々のベンダーが開発すると 仕様が不統一になる可能性があります。つまり、マルチベンダーが難しくなります。オブジェクト指向の 通信システムを各ベンダーが開発することはかなりの負担です。また、せっかく開発した通信システムが 不統一では困ります。TSC21では、通信システムはインフラと考え、通信システムである(TSC/com)を公開する こととしました。
TSC/com は、アプリケーション層、通信層、機器層の三階層に分かれています。 上位のアプリケーション層のインターフェースも備えているので、高度な制御や診断や評価など様々な アプリケーションとの情報授受が自由に行えます。機器層とアプリケーション層はネットワークで 接続されてさえいれば、同一のハードウェア上でも、異なるハードウェア上でも構わなく、 アプリケーション層を海外に持っていくことさえも理論的には可能です。通信層を独立させたことで、 物理的な制約が軽減され、各ベンダーはそれぞれ得意な分野に特化して参入できるので、 真の意味でのマルチベンダー化が可能となりました。また、将来、通信方式の仕様が変わったとしても、 アプリケーション側に影響を与える心配がありません。